発達検査とは

 心理検査とは心理学の理論を背景に作られたアセスメントツールです。心理検査には、受検者の性格、知能など様々な側面を客観的に知る目的があります。もちろん、心理検査の結果によって診断がつくわけではありません。心理検査の結果は、その人を断定的に理解するものでもありません。あくまで検査は受けた人の困りを解決したり、受けた人をサポートするためのツールの1つと言えます。

 発達検査は、こうした心理検査のうちのひとつです。発達検査だけでも多くの検査があります。近畿大阪メディカルが翻訳サービスの対象としている新版K式発達検査とWISC-Ⅳの検査は多くの医療機関や施設で実施されている主要な検査のひとつです。発達検査は受けた人の運動面や物事の理解の仕方、言葉や社会的な知識がどの程度身についているかなどを知るための検査です。この検査を受けることによって、受けた人の得意な力や苦手な力がおおよそ分かり、それをもとにしてより良く生活するための助言や問題の解決方法を考えていくことができます。 

新版K式発達検査

 1951年に京都市児童院(現・京都市児童福祉センター)で開発された検査です。発達過程が精密に観察できるように工夫されています。この検査は多くの自治体で、1歳児健診や3歳児健診で用いられることが多く、療育手帳の更新や就学前検査などでも使用されています。日本においては乳幼児期から学童期の代表的な発達検査であるといえます。

 0歳から成人までの方が受けることができ、対象児者の精神状態が発達年齢(developmental age : DA)として表されます。また、得られた発達年齢と生活年齢の比から、発達指数(developmental quotient : DQ)が求められます。発達年齢と発達指数は「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3つの各領域、および全領域で算出されます。

 検査は検査者と対面で取り組みます。対象児者の年齢に応じて開始する問題が大凡決まっており、その問題に正しく回答できたらより難しい問題に進み、誤って回答した場合は少し易しい問題に移ります。対象児者の回答をもとに検査用紙にプロフィールを描くことで、より詳細な発達側面を捉えることができるように作られています。

 結果は発達年齢や発達指数がどの程度であるかだけでなく、検査時の対象児者の様子やプロフィールに基づいて、対象児者の細かな発達の特徴を解釈します。その解釈に基づいて生活での工夫や支援がされます。

WISC-Ⅳ

 ウェクスラーによって開発された児童用の知能検査です。WISC-Ⅳは児童期に用いられる知能検査としては、最も頻繁に使われている心理検査のひとつです。

 WISC-Ⅳでは全検査IQと4つの合成得点(言語理解、知覚統合、ワーキングメモリー、処理速度)で個人の認知特性を測定することができます。すなわち、言語発達状態、視覚的情報処理能力、情報の操作と保持にかかわる記憶、視覚情報を素早く正確に読み込み処理する能力、などを測定しています。

 WISC-Ⅳの結果は、同年代の人と比較して受検者がどの程度の知水準であるかを、IQで表します。記述的分類ではIQが90~109の間に位置していれば平均の範囲と考えます。ただし、単純に数値のみで受検者の特徴を判断することはなく、数値のバランスや検査時の様子などを総合的に分析して、数値の意味を解釈します。受検者の困りや要請を踏まえながら結果を分析し、結果からどのうよな特徴が読み取れ、生活上の工夫や支援をどのようにしていけばよいかを考えます。

参考

  • 特定非営利法人アスペ・エルデの会(2013)発達障害児者支援とアセスメントに関するガイドライン、厚生労働省 平成24年度障害者総合支援推進事業

  • 上野一彦(2011)日本版WISC-IVテクニカルレポート#1、日本文化科学社

© 2020 近畿大阪メディカル - Wix.com で作成されたホームページです。

This site was designed with the
.com
website builder. Create your website today.
Start Now